歌舞伎町・ポチャカワ その1

いきなり性欲が昂ぶることがある。
余りにも、退屈で孤独で刺激が無かったからだろうか、抜きたくてしょうがなかった。
とても忙しかったのだが、とにかく抜きたくて何も出来なかった
お気に入りの風俗サイトを閲覧する。
ここは東京。
街に行けば風俗などいくらでもあるのだが、小生は貧民なのである。
風俗に使えるお金は4桁まで。
4桁でも、出来たら5000円以内に抑えたい。
風俗サイトにて、歌舞伎町の30分2000円のデリヘルを発見。
しかし店の名前は「ポチャカワ」
けれども、口コミを見る限り、基本若い子ばかりらしい。
この性欲に支配されどうにもならない状態。
背に腹は代えられぬ。
家を飛び出し、電車に乗る。

歌舞伎町に到着。
小生、実は、この時、デリヘル初体験であった。
箱ヘルの経験はあったが、デリヘルはホテル代が高いので敬遠していた。
では、なぜ今回小生はデリヘルを選んだかというと、歌舞伎町には安いレンタルルームがあり、部屋代を含めても、このポチャカワは箱ヘルより安上がりになりそうだったからである。
通常のラブホテルだと安くても休憩3000円は取られるだろう。が、レンタルルームだと1500円からいける、というのを、小生何かで見て知っていた。

デリヘルというものは、大抵は、家かホテルから電話を掛けてデリヘル嬢を呼ぶものであり、店に客が赴く、という事は無いのだが、このポチャカワは珍しく実店舗があった。
電話で受け付けも可能なのだろうが、小生は直接店に赴く事にした。

スマホの地図を頼りに、店を探索。
歌舞伎町の中心の辺りにあった。

その建物には、外から見える、地下へ通じる狭い階段があり、地下一階に受付はあった。
階段を下りてフロアに入るが、人の姿は見えない。
机があり、レストランでよく見る、チーンって鳴らす鐘が置いてあるので、鳴らす。
奥から店員が出て来た。
髪型がセンター分けの、40代か50代くらいの男である。

小生「あの~、このサイト見て、ここ来たんですけど、この30分2000円っていけます?」
小生、スマホを見せる。
店員「え。あ、ああ。いいですよ。」
この店員、何か挙動不審だ。
店員「2200円ですね」
消費税ね。
小生「ところで場所なんですけど、ちょっと良く分からないんで、レンタルルームってそっちで手配してくれますかね?それで、1500円のを手配してほしいんですけど」
店員「え?あ、あ、いいです、よ。あの、ただ、本当に、いいんですね?」
この店員のこの挙動不審具合はなんなのだ?ニヤニヤしてるし。
実店舗まで来て予約する客は異常という事なのか?あるいは、1500円のレンタルルームを頑なに指定する貧乏客は変人という事なのか?だが、ここで怯んでいる訳にはいかない。
小生「あの、本当に1500円のレンタルルームでお願いします。もし、2000円とかだったら、ゴメンナサイ、無しで」
店員「いや、いいですよ。でも、レンタルルーム手配した以上は、取り消せませんよ?2200円、いいですね?」
店員はニヤニヤしながら、電話を掛ける。手配出来たようだ。
小生は、2200円を払った。
そして、店員は小さな紙を提示してきた。
ここから、レンタルルームまでの地図である。
その地図に、店員はペンで線を引き、ここから目的地までの道筋を示してくれた。
歩いて数分の距離である。
そして、レンタルルームに着いたら、電話を掛け、嬢が来るのを待つという段取りである。

続く

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